3年前に成立し、準備が進められてきた「障害者差別解消法」が4月1日に施行されることを記念したパレードが、栃木県庁スタート、宇都宮城址公園をゴールに行われました。
このパレードは、TDF(とちぎ障害フォーラム)の村上さんや斉藤さんたちの大変な準備の苦労の末に、400人近い参加で行われ、法律の施行を市民の皆さんにアピールしました。
取材を受ける村上さん
準備を取り仕切った、勉強会メンバーでもある斉藤さん
そもそも「障害者差別解消法」は、今までの法律とどう違うのか?
新聞や市の広報誌などでも取り上げられていますが、根本的な違いは、解消法は人権を根幹に作られた法律ということです。
今までの法律、たとえば「ハートビル法」は、障がい者の利便性のための設備を義務付けた法律です。車いす利用の人用の駐車区画をつくるなどの設備の基準です。今度の解消法は、その建物やサービスを健常者と同等に利用できることを「権利」としてを明確にし、そこに存在する差別を解消しようとする「人権法」です。
具体的に言うと、今までは「駐車区画を作ることで法律はクリア」あとは、健常者の思いやり優しさにゆだねて、「駐車区画が使えないのはマナーの問題」とする考え方だったのが、今度の法律は「駐車場の有無」ではなく、建物やサービスの利用そのものを権利と位置付け、利用できない状態を「差別」とし、利用できるようにするための「合理的な配慮」を義務化しています。民間と公的機関で差はありますが・・・。
パレードの話しに戻って・・・
午後1時過ぎ、続々と集まる参加者。目標の200名を優に超え400名近くに。
メッセージを書いたプラカード、これを掲げながらシュプレヒコール!
記念式典で団結を高める参加者、式典では県障害福祉課の方や議員さんからもメッセージがありました。
県庁から宇都宮城址公園まで、約1.5キロをゆっくりとパレード。市民の方々の熱い視線も感じました。
天候にも恵まれました。
法律の制定に合わせ、県では条例も制定、同時にスタートしました。「差別解消法」と言っても、「何が差別なの」「合理的配慮って何すればいいの」「障害者向け設備なんて負担が重くてできないよ」「トラブルがが起こったらどういうふうに解決するの」などなど、まだまだ分からないこともたくさんあるこの法律、これから少しずつ市民みんなで育てていく法律です。
「差別」とは何か?
これが一番難しい・・・。つい数十年前、女性には選挙権がありませんでした。でもその当時、当事者の女性でさえそのことを「差別」と感じていなかった人はたくさんいます。「女性には選挙権がなくても当たり前」そんなことを現代で発言したら大変な差別です。差別を考えることは、一人一人の「人の権利」に関する感性を磨くことだと思います。