御茶ノ水駅での発見

福祉用具関係の委員会やセミナーで、よく東京に行きます。
今回は、そんな東京出張で見つけたネタです。

それは御茶ノ水駅にありました。
駅のホームにかかる屋根が、古いレールのリサイクルでできていますが、そのレールの1本に刻印を見つけました。


わかりますか? 画面中央に、逆さまになって書いてあります。

拡大してみます。
中央に斜めになっているのが古いレールで、本来車輪の走る部分が下面になっています。
なにやら、文字らしき刻印の最後(一番左側)にご注目ください。


わかりやすく拡大、回転させると・・・、


1894の文字、そうです。このレールが作られたのは1894年、お〜古い! 120年も前のもの。
1894年を調べたら、日清戦争がはじまった年でした。

レールから屋根を支える柱に、形は変われど、もう120年も役割を果たしている、すごいレールです。

ちなみに、年号の前にある文字は、「BARROW STEEL」と書いてあって、このレールを製造したイギリスのメーカー名だそうです。明治時代、鉄道の黎明期は、レールは輸入していたんですね〜。

今日は、少し鉄分のある、福祉用具とは全く無関係の話題でした。

リフトによる死亡事故が起きてしまいました

大きく報道されているのでご存知の方も多いと思いますが、移乗用のリフトによる死亡事故が起きてしまいました。
起きたのは、8月26日の11時ころ、ベッドから車いすへの移乗を、リフトを使って、介助者ひとりで行っていた際に起きたそうです。亡くなった方のご冥福をお祈りいたします。

報道によれば、四つのフックのうち一つが突然外れたため、バランスを崩して転落したということです。

NHKの報道


このニュースが、私を含め福祉用具の普及を願う人々に大きなショックだったのは、事故の重大さももちろんですが、この事故が「ひのでホーム」で起きたということが大きな要因ではないでしょうか。

このホームは、福祉用具のメンテナンスや、車いすの適合、腰痛対策のリフト導入などを積極的に行っている施設として有名で、いわば、福祉用具界の理想的な存在でした。全200床に対しリフト39台を導入、50床以上でリフト移乗が可能な体制を作っていたそうです。また、単に機器を導入するだけではなく、スタッフに対する教育研修にも積極的で、テクノエイドのリフトリーダーやJASPAのリフトインストラクターの資格を、のべ30名近く取得したり、入所者家族をまねいてリフト体験会を開催したり、わたしも「あこがれ」をもって応援していた施設の一つです。

今回の事故は、単にひとりの人が亡くなってしまった、という不幸のみにとどまらず、福祉用具の利用、特に安全な介助、QOLの高い介助を目指す流れに大きな影響を与えることになると思います。

この事故が起きてしまったからと言って、リフトが危険なものというレッテルを貼られ、普及の妨げとなることは、介護を受ける人、する人にとって大きなマイナスです。報道こそされませんが、人手による移乗介助での転落転倒事故は多数発生しており、また人の手のみによる、力任せの介助が、拘縮や床ずれの原因となって、全身状況の悪化を引き起こすことも最近の研究では注目されています。「従来型の介助が安全」では決してないのです。

今回の事故調査がいかに行われるか心配です。警察の捜査では、ひもが外れた直接原因は解明されても、それは過失を認定するためのものでしかありません。事故が起きた以上、どこかに過失や原因があったことは明白ですが、単に不注意や製品の欠陥で片づけられては、今後につながりません。こういった事故の対策として、製品の構造や機能の改善に向かうことが少なくありませんが、それだけが対策ではないですし、その改善が裏目でて、次の事故原因になってしまうこともあります。

福祉用具をよく知った人による事故原因、さらに遠因の調査を進め、研修や資格のあり方、機器の使い方や、構造など広範囲に対策を施すきっかけとなってほしいと思います。

これはなんでしょう?



いきなり、写真からはじまりましたが・・・。
これはなんでしょう?

下には、黒い面があります。


この黒い面は上下に動き、動いた量を計測できるようになっています。


       3

       2

       1

答えは・・・


そうです・車いすの座面の弛みを測る「車いすシート弛み測定器」です。

「車いすのシートが弛むと座位に悪影響を与える」ということは、みなさんご存知だと思います。
では、どのくらい弛むと交換する必要があるのでしょうか?
福祉用具の世界では、「人それぞれに違う」」という答えが多いです。それは間違いではないのですが、やはり、基準は必要ではないでしょうか。

自動車のタイヤを考えてください。
タイヤには「スリップサイン」という基準があって、そのサインの出たタイヤは危険なので使い続けてはいけないルールになっています。走行する路面や、車種、スピードはそれぞれ違うけれど、一定の基準でわかりやすく危険を伝え、安全を確保するルールが作られているわけです。

車いすはどうでしょうか?
「座位に悪影響を与える」と言われていても、シートの弛んだ車いすを使い続けている例は、みなさんの身近にもあるのではないでしょうか。特に、開設から十数年を経た高齢者施設などでは、車いすの種類が標準型メインという問題とともに、さらにそれが老朽化しているということが多々あります。

車いすには、タイヤのようなルールはまだないけれど、これからのルールつくりに向けては必要なものが二つあります。

ひとつは、どのくらいの弛みがどのように座位に影響を与え、変形等の悪影響を及ぼすのかの研究、もう一つは、その研究にも必要な弛みを数値化する測定器です。


測定器は、だれが作っても一定の数値が出るように、シートを押す部分の面積や形状が同じである必要があるので、矢崎化工のイレクターを使いました。これなら、同じパーツを使えば同じ基準の数値が得られます。しかし、実際に測定した結果、シート種類によっては伸びの影響があるので、押す力の強さによって結果に差異が出てしまうようです。これは、測定器側の改良でも解決できるはずです。



車いす座面の弛みを測定し、その評価ができる研究が進めば、施設などでの車いす更新やメンテナンスの基準になります。施設経営者は福祉用具のプロではないので、このようなわかりやすい基準があれば計画的な更新につながると期待します。

また車いすの貸与事業でも、「当事業所は車いすのシート弛みを測定器を用いて管理し、○○の基準を超えたものは貸与しません」という品質の公開に使えると思います。これで価格競争一辺倒の業界に品質の競争をもたらすことができます。

いかがでしょうか?
測定器を開発してくれる企業さん、弛みの影響を調べてくれる研究者さん、こんなアイディアにお金を出してくれるスポンサーさん、大募集です。








【アーカイブ〜1〜】車いす用スタンドの開発

しばらく更新をさぼってしまいました。ごめんなさい。
8月は勉強会も夏休みなので、報告もありません。
そこで、とちぎノーマライゼーション研究会の今までの活動を振り返り、記録をブログにとどめておこうという勝手な思い付きのもと、【ノーマライゼーション・アーカイブ】を作ろうと思いたちました。

第1回は「車いす用スタンドの開発」です。

これは、2008年、テクノエイド協会の福祉用具研究開発助成を受けて行われたもので、車いすのタイヤを人が乗車した状態でも簡単に空転させることができる用具を開発するものです。

スタンドの原理は、F1レースのタイヤ交換の際に使われるジャッキと同様、てこの原理で車いすのティッピングレバーを持ち上げるものです。

これが最初のころの試作、10台以上の試作を繰り返しました。

単純な原理のため様々な形状が考えられえましたが、車いすのティッピングレバーは、高さや幅が様々なので、多種の車いすに合わせるにはそれなりの工夫が必要でした。

タイヤを持ち上げる高さについても、それなりに研究しました。テクノの助成を受ける研究開発ですので、その道の学識経験者からのアドバイスや注意を受けながらの開発となりますが、タイヤを持ち上げることにより、座面の角度が前傾するので、その前傾による座位への影響について、しっかりと研究したうえで安全を確保するように意見が出されたからです。

この点について研究実験している場面が下の写真です。

車いすをミリ単位で傾斜させ、座位にどのように影響するかを研究しています。身体の重心位置にもよるので、腕を前方に突き出したり、想定される構えを行いながら探っていきます。このような実験は、実際の車いすユーザーのもご協力いただき、繰り返されました。

また、スタンドを持ち上げるときの動きに対しての安全性もチェックしました。

両下肢欠損の車いす利用者の場合が、もっとも危険が高いということで、そのモデルを作り実験をしました。モデルづくりには、療法士の方々からのアドバイスで、重心位置や坐骨位置もできる限り再現しています。

そのほか、タイヤを清掃するなどの作業中に、不意にスタンドが外れてしまわないか、複数の基底面を持つモデルを作って実践で確認、これも、乗車者が安静にしているとは限らないので、脳性まひの人の場合の腕や足の動きなどを再現しながら実験を行いました。




そんなこんなで、最終形に近い試作がこんな感じ・・・


最後には、プロのエンジニアの力も借りて、こんな感じに完成させました。


実際にどのようにこのスタンドを使ってタイヤを持ち上げるのか?
その映像は、You・tubeに公開されています。

こちらです。
https://www.youtube.com/watch?v=pmbrO-oku3M


【介護保険】 段差解消機貸与のための土台の整備は住宅改修?

福祉用具プランナー研修 開催決定!
現在、参加者の追加募集中です


こんな質問をいただきました。

介護保険制度の福祉用具貸与にある車いす用の段差解消機についてです。
「昇降機の土台工事が必要な場合、その土台工事は自費になるのでしょうか」



答えは、「自費になる」ですが、その理由は、住宅改修の対象になるかどうかではありません。

福祉用具貸与における福祉用具の範囲の考え方(平成10年8月24日医療保険福祉審議会・老人保健福祉部会)
の「取り付けに住宅改修工事を伴わず、賃貸住宅の所有者でも一般的に利用に支障のないもの」という原則があ
ります。これを受けて、介護保険法の告示で定める福祉用具貸与の種目では、「12.移動用リフト・・・中略
・・・取り付けに住宅改修を伴うものを除く」となっています。
つまり、昇降機は移動用リフトであり、移動用リフトは住宅改修を伴うものは除くことになっているので、土台
工事が必要な昇降機は、そもそも介護保険の貸与の対象にはなっていない、ということです。

でも、ほとんどの昇降機は、土台がコンクリート等しっかりとしていなければ設置ができません。でも、おおもとの考え方が、「賃貸住宅の所有者でも一般的に利用に支障のないもの」という判断なので、設置場所の条件によっては賃貸住宅でも利用ができるので、土台がコンクリートでなければ設置できない昇降機でも、貸与の対象として問題はないという判断だと思います。

介護保険の対象となるか否かについては、研修などで多くの質問を受けますが、感覚や先入観を極力排して、介護保険法の成立した経緯や、法の目的、そして政令や通知をしっかりと理解したうえで、根拠を持って判断したいと思っています。そうすることで、納得できない判断については、しっかりと保険者にも意見を言えるようになるのだと思っています。

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